教育情報部

公立高校で ICT 担当をしています。

【教員向け】Google ドキュメントの「ページ分けなし」設定が「マニュアル作り」に便利【Google Docs Drive 図形描画 生徒向けマニュアル作成 レイアウト QR 二次元コード】

 

ICT 担当をしていると、

生徒や教員向けに ICT 関係のマニュアルを作る場面が多くあります。

 

「〇〇設定マニュアル」など

特に年度当初の準備は大変です。

 

スクリーンショットを撮って、

図形や矢印で目印をつけて、

文字を入れて、

Word に貼り付けて、

レイアウトを整えて、

大量に印刷をして…

私の嫌いな作業のオンパレードです。

 

ずっと「もっと楽にならないかな」と思っていました。

 

作業の簡素化を考える

私の勤務校では、今年度、

生徒1人に対して1台のパソコン(Windows 搭載端末)の導入が予定されています。

 

その設定をする際にマニュアルが必要になるわけですが、

紙で印刷して配布すると、

大変な手間になるので、

次のようにしようと考えています。

 

教室内で端末の受け渡しと同時にマニュアルを渡して、

生徒に一斉に設定作業をさせることを想定しています。

 

① 紙でマニュアルすべてを配布せず、オンラインにする

② 生徒はスマートフォンでマニュアルを見ながら PC設定をする

③ マニュアルを適切に細分化。二次元コードQR コード)のみを乗せたマニュアルを紙で配布。読み飛ばす項目がないようチェックさせる

④ マニュアルの背景色を項目ごとに変える。

 最初の方のマニュアルを「赤色」に近い色、

 中間あたりを「黄色」、

 最後に近づくにつれて「緑色」になるようにします。

 

 生徒は自分のスマートフォンでマニュアルを見ながら、

 設定作業を進めていきます。

 

 教室で一斉に作業させる場合、

 作業が進んでいない生徒ほど、

 スマートフォンの画面の色が「赤色」に近い色をしているので、

 どの生徒に声掛けをすればよいか、

 直感的にわかります。

 

オンライン上のマニュアルを作成するときに

個人的に便利だと思っているのが、

Google ドキュメント」と「図形描画」の組み合わせです。

 

Google ドキュメントの「ページ分けなし」設定を使えば、レイアウトを整える必要がない!

最近、Google ドキュメントに新しい機能として

「ページ分けなし」設定が追加されました。

 

通常、Google ドキュメントでは、

「A4」や「B5」など定型の用紙に

文字入力などをしていくことになりますが、

「ページ分けなし」設定をすると、

ページの区切りがなくなります。

 

何がすごいのかというと、

  • レイアウトを整える必要がない

 

スクリーンショットなど、画像の多い文書を作成する場合、

「A4」や「B5」など定型の用紙サイズを設定すると、

ページの区切りに重ならないように

画像のレイアウトを整える必要があったり、

セクションの途中でページの区切りが来ないように

改ページや改行をして、調整したりする必要があります。

 

 

「ページ分けなし」設定を使えば、

これらの作業の大半が不要になります。

 

レイアウトを整える必要がないので、

マニュアル作成時のストレスが相当減ります。

 

「ページ分けなし」設定の方法

 

① Google ドキュメントの左上にある「ファイル」を押す

② 「ページ設定」を押す

 

③ 「ページ分けなし」を選択

④ 「OK」ボタンを押す

これで設定終了です!

 

Google ドキュメントを利用する理由

でも、「ページ分けなし」設定を適用するだけなら、

普通の Web ページ上でマニュアルを作っても

それほど変わらないはず。

 

その通りです。

 

でも、Google ドキュメント上では

「図形描画」を使用することができます。

 

この「図形描画」が

操作画面を記録したスクリーンショット

目印をつけるときに非常に便利なのです。

 

Google ドキュメント」と「図形描画」の組み合わせ

Google ドキュメント上で「図形描画」を使うには

次のようにします。

① マニュアルを作成しているファイルを表示させる

② 「挿入」→「描画」→「新規」の順に押す

 

③ Windows の「ペイント」や Word の「ワードアート」や「スマートシェイプ」と同じ要領で、スクリーンショット等に矢印や文字を書き込むことができます。

(↑)非常にわかりづらいですが、「図形描画」に操作方法を記録した「スクリーンショット」を貼り付け、その画像の上に、四角や矢印、文字を書き入れている様子です。

 

④ 作業終了後、「保存して終了」を押すと、「Google ドキュメント」上に作成した画像が挿入されます。

 

「図形描画」が便利な点:1.本文も画像も1つの画面から編集可能

 

マニュアルを Web ページ上で作成し、

操作画面のスクリーンショット画像をアップロードしたい場合、

次のような工程を踏む必要があります。

 

(1) スクリーンショットを撮り、保存する。

(2) 「ペイント」や「Microsoft Word」、「Microsoft PowerPoint」などで画像を開き、矢印や文字などを書き加える。

(3) 矢印や文字などを書き加えた画像を(上書き)保存する。

(4) Web ページの編集画面からアップロードする。

 

 

Google ドキュメント」と「図形描画」を使えば、

1つの編集画面から本文も画像も編集することができるので、

(この点は Word 上で「ワードアート」や「スマートシェイプ」を使う感覚と似ています)

作業効率がかなりアップします。

 

「図形描画」が便利な点:2.画像ファイルの管理が楽に

「図形描画」で作成した画像は

個別のファイルとして保存されるのではなく、

Google ドキュメント」の中に格納しておくことができるので、

管理するファイルの数を増やすことなく、

整理整頓が楽になります。

 

「図形描画」が便利な点:3.訂正が楽

 

画像内の文字に誤植があった場合など、

訂正が必要になった時、

Web ページでマニュアルを作成すると、

 

(1) 該当の画像ファイルを探す

(2) 「ペイント」などで訂正する

(3) もう一度画像ファイルをアップロードする

 

という面倒な作業が必要になります。

 

これが「図形描画」であれば、

該当の画像をダブルクリックすれば、

すぐに図形の編集画面が出てくるので、

そこで訂正を行うことができます。

 

個人情報の塗りつぶしは「ペイント」で

マニュアルを作成するときに、

操作画面に表示されている

メールアドレスや生徒の氏名などを

黒塗りで見えなくすることがあります。

 

「図形描画」で個人情報を黒い図形で多い、

表面上見えなくすることもできますが、

注意が必要です。

 

 

Google ドキュメント」上で作成したマニュアルについて、

生徒の共有権限が「閲覧」のみになっている場合は、

ファイル内に含まれる「図形描画」の黒塗りの図形を

移動させたり、消去したりすることはできません。

 

ただ、生徒がそのファイルをコピーして、

自分の「Google Drive」の中に格納すれば、

生徒が編集権限を持ったファイルのコピーが

作成されることになります。

 

そのコピーの中では

図形描画も編集することができるようになるので、

黒い図形を移動させたり、消去したりできるようになります。

 

もとの個人情報が見える状態にすることができるので

注意が必要です。

 

見えるとまずい情報については、

Windows に元から入っている「ペイント」などで

塗りつぶして、

完全に修復不能にしてからアップロードしてください。

 

 

Google ドキュメント」はスマホでも見やすい

Google ドキュメント」で作成した文書は、

PC で表示した場合とスマートフォンで表示した場合とで、

幅を調整してくれます。

 

Word で作成した文書を PDF にして、

Google Classroom 等を通して、

生徒のスマートフォンに送る先生もいますが、

スマートフォンの小さい画面では

A4 の文書を表示すると、

拡大しなければならず、

生徒はやや見にくそうにしています。

 

その点、「Google ドキュメント」で文書を作成すれば、

調整は自動的に行われます。

 

イメージはこんな感じです。

 

 

ちなみに、「Google ドキュメント」で作成した文書は

専用のアプリがなくても、

ブラウザや Google Classroom 上で表示することが可能です。

iPhone でしか検証していないので、Android 搭載端末ではわかりません)